母の感謝力に敬服 - スパイラルのブログ

母の感謝力に敬服

[2011.09.04 吉岡 美千代]

今回の台風12号は、また自然の恐ろしさを身にしみて体験することになってしました。

尊い命を亡くされた方々へご冥福をお祈り申しあげますと共に、
被害にあわれた皆様や、ご家族の皆様へのお見舞いを申しあげます。

こんなにも大きな被害が出るとは想像を超えるものでしたが、
東日本大震災に続いて地球規模で変化が起こっていることを実感します。

私の実母は大阪に住んでいます。
和歌山に老後の楽しみに購入した家があり、義父はそこに農園を作り、
家の手入れをしたり、川で鮎釣りを楽しんだり、
ご近所さんとの楽しい憩いの場としてとても大切にしていました。

ニュースで和歌山の被害が大きく流れていたので、
心配して電話を入れると義父が電話に出てくれましたので、
和歌山には行ってなかったんだとひと安心した瞬間に
「和歌山の家がなくなったよ」とまさかの言葉。
最近は和歌山での生活が中心だったのに、
たまたま月に一度の病院の検診で大阪の家に帰ってきていたそうです。

どんなにか落ち込んでいるだろうと母に電話を代わると、
そこには想像を超えた明るい母の声が聞こえてきました???

私「家なくなったの?」

母(めちゃ明るい声で)「そうなんよ~。でもね、命があるわけだし、あの家に12年間楽しませてもらったからね。中途半端に残るより、綺麗さっぱり流されてしまったからすっきりしたわ。ご近所の人は見に行っている人もいるみたいだけど、私ら年寄りがまた行って、そこで怪我でもしたらまたみんなに迷惑かけるでしょう?だから行かないの。何もないから掃除もしなくていいし♪」と心の底から話している母の言葉に、心底尊敬の気持ちが沸いてきました。

人は誰でもその人なりの苦労を乗り越えて生きているのだと思います。
うちの母も私から見るとずいぶん苦労して今まで精いっぱいに人生を乗り越えて
がんばって貯めたお金で買った家での生活は老後の幸せだったと思います。

こなって見ると、温泉も出るから遊びにきなさいといつも誘ってくれてた時に行っておけばよかった☆

いつ何が起こるかわからないってこんなことなんだな…と改めて身にしみました。

私はこの母の子供に生まれてよかったなとしみじみ感じました。
これから何が起こっても母だったらどんな風に考えるだろうと思えば、
どんなことも前向きに乗り越えていきていけそうな、
生きる指針を母の姿から学ばせていただきました。

ふと、せつないながらも心温まる涙が溢れてきました。

命があったからこそ言える言葉かもしれませんが、家が流されて悲しくない人なんていないし、
こんな時どう受け止めどんな気持ちで未来に向かっていくのかで、
人は不幸な人生と感じながら生きるのか、それともいろんなことはあったけど、
守られ幸せな人生だったと思えるのか…。
母の本気で感謝している声を聞きながら、お母さんありがとうと伝えました。
母の感謝力に感謝を捧げ、今の瞬間を大切に生きますと誓った夜でした。

今を感謝で生きることができたら、きっと未来も感謝いっぱいの人生が待ち受けていますよね(^^v

2011.09.04 吉岡 美千代